「結婚式場、どこにしようかな?」 インスタグラムで素敵なチャペルの写真を眺めたり、おいしそうな料理の口コミをチェックしたり。式場探しって、ワクワクしますよね。
でも、ちょっと待ってください。 「会場の雰囲気」や「予算」だけで決めてしまっていませんか?
実は、結婚式が最高の一日になるか、それとも「なんだか思っていたのと違う…」と後悔してしまうか。その運命を握っているのは、建物でも料理でもなく、担当してくれる「ウェディングプランナー」なんです。
どんなに素敵な会場でも、担当者との相性が悪かったり、提案力がなかったりすると、半年間の準備期間がストレスだらけになってしまいます。「メールの返信が遅くて不安」「やりたいことを伝えても『できない』と言われるだけ…」なんて悩み、実はとっても多いんですよ。
そこでこの記事では、数多くの結婚式をつくってきた元プランナーの視点から、表面的な「愛想の良さ」に騙されないための、本当に頼れるプランナーを見極める5つのポイントをご紹介します。
これを読めば、ブライダルフェアでの視点がガラッと変わります。「この人になら任せられる!」と思える最高のパートナーを見つけて、おふたりの理想を叶えましょう!
そもそも「誰」に頼む?プランナーには2つのタイプがある

まず知っておいてほしいのが、ウェディングプランナーには大きく分けて2つのタイプがいるということ。それぞれの特徴をサクッとおさらいしておきましょう。
1. 安心感の「会場専属プランナー」
結婚式場やホテルに所属しているスタッフです。 その会場の設備やルール、スタッフの動きを熟知しているのが最大の強み。「この会場で何ができるか」を一番よく知っています。 基本的には、式場を決めたあとで担当者が決まります(指名できないことも多いです)。
2. 自由度の「フリーランスウェディングプランナー」
特定の会場に属さず、個人やプロデュース会社で活動しているプランナーです。 「会場探し」から一緒にやってくれるのが特徴。「どんな場所で挙げるか」よりも「誰とつくるか」を重視したいカップルに人気です。SNSなどで探して、直接指名することができます。
この記事では、多くのカップルが経験する「結婚式場の見学(ブライダルフェア)」で出会うプランナーさんをどう見極めるかを中心にお話しします。もちろん、フリーランスの方を探すときにも使えるテクニックですよ!
【要注意】契約前に確認必須!「分業制」の落とし穴

ここ、テストに出るくらい重要です! 実はブライダル業界には、「分業制」という仕組みを取り入れている会場がたくさんあります。
「分業制」とは、
- 新規担当:見学の案内をして、契約を結ぶまでの営業担当
- 打合せ担当:契約後、実際に結婚式をつくっていくプランナー
この2人がまったくの別人というシステムのことです。
これを知らずに契約してしまうと… 「見学のときの担当さんがすごく親身になってくれたから決めたのに、打合せになったら別の人が出てきて、話が通じない…」 なんていう悲劇が起きてしまうことも。
ここをチェック!
見学の最後に、必ずこう聞いてみてください。
「今日案内してくれた〇〇さんが、当日までずっと担当してくれるんですか?」
もし「担当は変わります」と言われたら、その後の引き継ぎ体制がしっかりしているか、打合せ担当の方とも挨拶ができるかなどを確認しておくと安心です。
良いプランナーを見抜く!ブライダルフェアでの5つの見極めポイント

さて、ここからが本番です。 目の前のプランナーさんが「本当に信頼できるプロ」なのか、それとも「契約を取りたいだけの営業マン」なのか。 5つのポイントで見極めていきましょう。
1. 「営業トーク」より「深掘りヒアリング」があるか
プランナーの最初の仕事は、おふたりに会場を気に入ってもらうこと。当然、会場の魅力をアピールしてきます。 でも、良いプランナーは「売り込み」よりも「聞くこと」に時間を使います。
- ダメな例:「当館のチャペルは天井が高くて素敵なんですよ!どうですか?」と一方的に話す。
- 良い例:「おふたりは、どんなゲストをご招待される予定ですか?」「なぜ結婚式を挙げようと思ったんですか?」と、背景を聞いてくれる。
私たちプロは、おふたりの話の中にこそ「いい結婚式」のヒントが隠れていることを知っています。 表面的な「希望」だけでなく、「なぜそうしたいのか」まで深掘りしてくれる人は、契約後も二人の想いを大切にしてくれますよ。
2. 漠然としたイメージを「視覚化」してくれるか
20代のカップルだと、「まだ具体的なイメージがなくて…」という方も多いはず。「なんとなく可愛い感じ」「オシャレにしたい」といったふんわりした言葉を、どう受け止めてくれるかもチェックポイントです。
チェック方法: スマホに入っている「なんとなく好きだな」と思う写真を見せてみてください。
【信頼できるプランナーの反応】
「あ、この雰囲気なら、テーブルのお花はこんな感じ(写真を見せる)が合いそうですね!」 「この写真のどの部分が好きですか?色使いですか?それとも光の感じ?」
このように、具体的な写真や事例をパッと出してくれたり、好みの解像度を上げようとしてくれるなら合格です! 逆に、「わかりました、可愛くしますね!」だけで終わらせる人は要注意。お互いの頭の中にある「可愛い」がズレたまま進んでしまう危険があります。
3. 【最重要】トラブル対応力=当日の安心感
結婚式は「生もの」です。当日は予期せぬことが起こるもの。 プランナーの真の実力が試されるのは、順調な時ではなくトラブルが起きた時です。 あえてちょっと意地悪な質問をして、その対応力を見てみましょう。
魔法の質問
「もし当日、台風が直撃したらどういう対応になりますか?」
「過去に起きたトラブルで、どう対処したか教えてください」
この質問に対して、 「うーん、まあその時はその時で…」と言葉を濁す人は不安です。
信頼できるプロなら、 「その場合は、ガーデンでの演出を屋根のあるホワイエに変更します。その際の動線はこうなります」 「以前、電車が止まってゲストが遅れた際は、披露宴の時間を30分後ろ倒しにして対応しました」 と、リスクを隠さず、具体的な解決策を即答してくれるはずです。この安心感こそが、当日の二人が心から楽しむための土台になります。
4. 「NO」と言わずに「代案」を出せるか
予算や会場のルールの都合で、おふたりの要望がどうしても通らないことはあります。 例えば、「キャンドルを100個灯したいけど、消防法でNG」というような場合です。
そんな時、ただ「規則なのでできません」と断るだけの人は、ただの「管理者」です。 優秀なプランナーは、「代案(サードドア)」を持っています。
「本物の火は使えませんが、LEDキャンドルなら大丈夫です。これなら持ち込み料もかかりませんし、見た目もかなりリアルですよ。こんな雰囲気になります!」
このように、「できない」で終わらせず、「それなら、代わりにこういう方法は?」と提案してくれる人を選びましょう。こういう人が担当だと、準備期間が本当に楽しくなります。
5. レスポンスの速さと「プロとしての距離感」
最後はやっぱり「相性」です。 結婚式の準備は半年〜1年と長く続きます。
- 連絡のペース:仕事で忙しいおふたりにとって、メールやLINEの返信スピードは重要。「3日待っても返事が来ない」ではストレスが溜まります。
- 距離感:親しみやすさは大切ですが、「友達」になりすぎるのは考えもの。締め切り管理やお金のことなど、言いにくいこともハッキリ言ってくれる「頼れるプロ」としての距離感がある人の方が、結果的に良い式になります。
契約書にサインする前に!金銭面とルールの最終チェック

「このプランナーさんなら良さそう!」 そう思っても、ハンコを押す前に最後の確認を。後から「こんなにお金がかかるなんて聞いてない!」とならないためのチェックリストです。
「見積もり」に含まれていないものを確認する
最初に出される見積もりは、一番安いランクのドレスや料理で計算されていることがほとんどです。 正直に聞いてみましょう。
魔法の質問
「先輩カップルの皆さんは、ここから最終的にどれくらい金額が上がりましたか?」
ここで「皆さん100万円くらい上がりますね〜」と正直に教えてくれるプランナーは誠実です。「工夫次第で上がりませんよ(本当は上がるけど)」とごまかす人には注意が必要です。
キャンセル規定と持ち込み料
- キャンセル・延期規定:万が一、感染症や天災で延期する場合の費用はどうなるか。
- 持ち込み料:「カメラマンの友人に撮ってもらいたい」「ドレスは他で借りたい」。そんな時の「持ち込み料」はいくらかかるか。
これらはトラブルになりやすい項目なので、契約前に必ずクリアにしておきましょう。
よくある質問(Q&A)

ここでは、プランナー選びでよくあるお悩みにお答えします。
- Q契約後にプランナーを変更してもらうことはできますか?
- A
可能です。ガマンせずに相談を! 「契約したときは良いと思ったけど、打合せが始まったら合わない気がする…」ということはあります。 そんな時は、遠慮せずに会場の責任者(支配人やマネージャー)に相談してください。 一生に一度のことですから、モヤモヤしたまま進めるのが一番よくありません。 「相性が合わないようで、打合せが進まなくて不安です」と正直に伝えれば、担当を変更してくれることがほとんどです。
- Qベテランと若手、どっちが良いですか?
- A
一概には言えません。「人」で選びましょう。 ベテランの安心感や引き出しの多さは魅力ですが、若手ならではの「トレンド感」や「一生懸命さ」が素晴らしいこともあります。 「ベテランだから良い」「若手だから不安」と決めつけず、これまで紹介した5つのポイントで、目の前のプランナーさんと向き合ってみてください。
まとめ:プランナーは「半年間を共にするパートナー」
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
ウェディングプランナーの仕事は、華やかに見えて、実は裏方の調整や責任重大な業務の連続です。だからこそ、その大変さを理解し、情熱を持っておふたりに向き合ってくれるプランナーに出会えれば、結婚式はもっともっと素晴らしいものになります。
これからブライダルフェアに行くおふたりへ。 チャペルの天井の高さや、披露宴会場の広さも大切ですが、ぜひ「この人と一緒に半年間がんばれそうかな?」という視点で、担当者を見てみてくださいね。
今日ご紹介した「魔法の質問」、ぜひ勇気を出して聞いてみてください。 おふたりの結婚式が、最高に幸せな一日になりますように!心から応援しています。


