婚約指輪と結婚指輪の違いは?値段・意味・必要性を徹底比較【後悔しない賢い選び方】

man holding gold ring on woman's finger 演出・アイテム・ドレス

ご成婚おめでとうございます! この度は、お二人の新たな門出を心よりお慶び申し上げます。

私は10年以上、数多くの新郎新婦様の結婚式をプランニングしてまいりました。 その中で、挙式準備のスタート地点として皆様が最初に直面されるのが「指輪選び」の悩みです。

「婚約指輪と結婚指輪、名前は似ているけれど何が違うの?」 「これから結婚式や新生活に多額の費用がかかるのに、本当に二つとも購入する必要があるの?」

幸せな気持ちと同じくらい、「金銭的な不安」や「常識知らずと思われないか」という焦りを感じている新郎新婦様は決して少なくありません。 実際、私が担当させていただいた多くの方々も、理想と現実的な予算の狭間で悩みながら指輪を選定されていました。

本記事では、指輪選びの基礎知識から、先輩新郎新婦のリアルな予算事情、そして「後悔しないための賢い選び方」までを、プロの視点で徹底解説いたします。

最後までお読みいただければ、二つの指輪の決定的な相違点が明確になり、「自分たちにはどの指輪が必要で、どう予算配分すれば良いか」という迷いが解消されるでしょう。 お二人に最適な指輪を見つけるための第一歩を、ここから始めましょう。

1分で分かる!婚約指輪と結婚指輪の決定的な5つの違い【比較表】

A couple of wedding rings sitting on top of a table

まず初めに、両者の違いを明確に理解しましょう。 婚約指輪(エンゲージリング)と結婚指輪(マリッジリング)は、その「意味」も「使用場面」も全く異なるものです。

多忙な新郎新婦様のために、主要な5つの相違点を比較表にまとめました。

項目婚約指輪(エンゲージリング)結婚指輪(マリッジリング)
① 意味・役割「婚約の証」結婚の決意と愛情の象徴「結婚の証」永遠の愛を誓う夫婦の絆
② 着ける人基本的に女性のみ男女ペアで着用
③ デザイン華やかダイヤモンドが主役の立て爪などシンプル日常使いに適したデザイン
④ 着ける場面結納、顔合わせ、結婚式、パーティー、特別なお出かけ挙式での指輪交換以降、日常的に常時着用
⑤ 価格相場30万〜40万円(1本あたり)20万〜30万円(ペア2本合計)

💡 プランナーの補足解説

婚約指輪は、男性から女性へ贈る「箱パカ」プロポーズの象徴です。ダイヤモンド等の宝石が際立つデザインが多く、特別感を演出します。

一方、結婚指輪は、挙式でお互いに交換し、その後の長い結婚生活で肌身離さず着けるものです。家事や仕事の邪魔にならない、プラチナ等の耐久性が高い素材や、滑らかなデザインが好まれます。

【値段と支払い】両方買うといくらかかる?誰が払うのが常識?

A man and a woman standing next to each other

最も気になるのが「費用」の問題ではないでしょうか。 世間の相場を知り、お二人の資金計画を立てる際の参考にしてください。

一般的な相場は「総額60万円」前後

現在のブライダルジュエリー市場において、一般的な購入価格の目安は以下の通りです。

  • 婚約指輪:平均 38.2万円
  • 結婚指輪:平均 28.1万円(二人分)
  • 総額:約 66万円

もちろん、これはあくまで平均値です。 最近では10万円台で購入可能な婚約指輪も増えていますし、逆にこだわりのブランドで100万円以上かける方もいらっしゃいます。

支払いは誰が担当する?変化する「常識」

一昔前は「婚約指輪は給料の3ヶ月分、全額男性が支払う」というのが通説でした。 しかし、現在は新郎新婦様の働き方や価値観の多様化に伴い、支払いルールも柔軟になっています。

現在の主流パターン

  • 婚約指輪:やはり男性が全額支払うケースが圧倒的多数。
  • 結婚指輪
    1. 男性が全額支払う(頼もしさをアピール)
    2. 二人で折半する(対等な関係性を重視)
    3. 互いに相手の指輪を贈り合う

注意点

結婚指輪の支払いをどうするかは、意外と揉めやすいポイントです。 会計時にレジ前で気まずい雰囲気にならないよう、事前に話し合っておくことを強くオススメします。

予算を賢く抑えるコツ

もし「予算オーバーだけれど、品質は落としたくない」とお考えなら、以下の方法を検討してみてください。

  • 卸問屋街で購入する:東京の御徒町などの宝石問屋街では、同品質のダイヤモンドが百貨店の半値近くで見つかることもあります。
  • セットリング割引:同じ店舗で婚約・結婚指輪をまとめて購入すると、割引特典が適用される場合があります。

正直、婚約指輪は必要?「なし派」の意見とメリット・デメリット

woman wearing gray long-sleeved shirt facing the sea

「結婚指輪は買うけれど、婚約指輪はどうしよう?」 このようにお悩みの方も多いでしょう。 実際に、婚約指輪を購入しない「なし派」の選択をする新郎新婦様もいらっしゃいます。

「なし派」の主な理由

  1. 金銭的理由:結婚式や新婚旅行、新居への引越し費用を優先したい。
  2. 実用性:仕事柄アクセサリー禁止で、着ける機会が少ない。
  3. 嗜好:そもそもアクセサリーに興味がない、金属アレルギーがある。

【実録エピソード】「いらない」と言った新婦様の本音

ここで、私が以前担当させていただいたA様ご夫婦の事例をご紹介しましょう。

当時、しっかり者の新婦様は「指輪にお金をかけるなら、新婚旅行を豪華にしたい」と、婚約指輪を辞退されました。 新郎様もその意向を尊重し、結婚指輪のみを購入されました。

しかし、結婚式から数年後、A様にお会いした際、新婦様が少し寂しそうに仰いました。 「友人の結婚式に参列した時、みんなキラキラした婚約指輪を重ね付けしていて…やっぱり記念に残るものだし、買ってもらえば良かったかなって思う瞬間があるんです」

実はこれ、非常によくあるお話なのです。 「その時はいらないと思っても、後から欲しくなる」のが婚約指輪の難しいところです。

迷っているなら「後悔しない選択」を

もし金銭面だけで迷っているのであれば、ダイヤモンドのサイズを調整したり、カジュアルなデザインを選んだりして、「形に残す」ことを検討してみてはいかがでしょうか。

逆に「絶対に不要」と決断された場合でも、結納や顔合わせの席で「婚約記念品」のお披露目がないと場が締まらないことがあります。 その際は、指輪の代わりに「高級時計」や「ネックレス」など、実用的な品を交換することをオススメします。

後悔しない選び方の正解は「重ね付け」と「ブランドミックス」

silver and diamond ring on white textile

せっかく購入するなら、タンスの肥やしにせず、毎日愛用したいものです。 そこで、ベテランプランナーが推奨する「賢い選び方」を二つご提案します。

1. 普段使い前提の「セットリング(重ね付け)」

最近のトレンドは、婚約指輪と結婚指輪を重ねて着ける(スタッキング)ことを前提としたデザイン選びです。

  • メリット:友人の結婚式やお出かけの際、手元が華やかになります。
  • 選び方:最初から「セットリング」としてデザインされた商品は、二本の隙間がなくピッタリと重なり、美しさが倍増します。

2. 上級テクニック「ブランドミックス」

必ずしも同じブランドで揃える必要はありません。 「婚約指輪は憧れの海外ハイブランド、結婚指輪は着け心地重視の国内ブランド」というように、ブランドを分けるのも賢い選択です。

⚠️ 注意点

ブランドを分ける場合は、「指輪の高さ」と「カーブの角度」に注意が必要です。 異なるブランド同士だと、重ねた時に隙間ができたり、ぶつかって傷ついたりすることがあります。 購入時は、先に購入した指輪(またはその写真や型番)を持参し、実際に試着して相性を確認しましょう。

いつ買いに行く?結婚式・入籍に間に合うスケジュール

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指輪選びで最も危険なのが「納期の勘違い」です。 「お店に行けば、その日に持ち帰れる」と思っていませんか?

納期には「1〜3ヶ月」かかるのが常識

基本的に、ブライダルリングは受注生産やサイズ調整が必要です。

  • 既製品(サイズ直し・刻印のみ):約1ヶ月〜1.5ヶ月
  • セミオーダー:約2ヶ月〜3ヶ月
  • フルオーダー:約3ヶ月〜半年

逆算スケジュールの目安

目標日行動開始のリミット
顔合わせ・結納でお披露目したい当日の3ヶ月前
入籍日に婚姻届と一緒に撮影したい入籍日の2〜3ヶ月前
結婚式の指輪交換で使いたい挙式日の3ヶ月前(遅くとも)

特に結婚式直前は、準備が立て込み多忙を極めます。 「指輪がない!」という事態を避けるためにも、挙式の半年〜3ヶ月前にはお店へ足を運びましょう。

よくある質問(Q&A)

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最後に、新郎新婦様から頻繁にいただくご質問にお答えします。

Q. 婚約指輪のお返しは必要ですか?

A. 「半返し」がマナーとされていますが、柔軟に対応可能です。 一般的には頂いた金額の半額程度の品(時計やスーツ等)をお返しします。しかし最近では、「新生活の家具家電代に充てよう」と話し合い、お返しを省略する新郎新婦様も増えています。

Q. なぜ左手の薬指に着けるのですか?

A. 古代エジプトからの伝承に由来します。 古代エジプトでは「左手の薬指には心臓(ハート)に直結する太い血管が通っている」と信じられていました。そこから、愛の誓いを心に直接届けるという意味で、この指が定着したと言われています。

Q. 婚約指輪はいつから着けていいのですか?

A. お手元に届いた瞬間から、いつでも着けてOKです! 入籍前であっても問題ありません。デートやご挨拶の際など、幸せな婚約期間を噛み締めながら沢山着けてあげてください。

まとめ:まずは「二人で予算と優先順位」を話し合って来店予約を

本記事では、婚約指輪と結婚指輪の違いについて解説してまいりました。

【本記事の要点】 ✅ 婚約指輪は「決意の証」、結婚指輪は「生活を共にする絆」。 ✅ 予算は総額60万円前後が平均だが、工夫次第で調整可能。 ✅ 「重ね付け」を前提に選ぶと、結婚後も活躍の場が増える。 ✅ 納期は意外とかかる。「3ヶ月前」行動が鉄則。

指輪選びに「絶対の正解」はありません。 大切なのは、世間の常識にとらわれすぎず、お二人のライフスタイルや価値観に合った選択をすることです。

ただ、一つだけ確かなことは「悩んでいる時間はあまりない」ということです。 特に納期に関しては、待ってくれません。

まずは今週末、デートがてらジュエリーショップへ足を運んでみてはいかがでしょうか? Webからの来店予約なら、商品券などの特典が付くことも多くお得です。

実際に指輪を試着してみることで、 「やっぱりダイヤモンドが欲しい!」 「意外とシンプルな方が似合うかも」 といった、本当の気持ちに気づくことができますよ。

お二人の指輪選びが、生涯忘れられない素敵な思い出になりますよう、心より応援しております。

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